作り続けてボチボチ10年,これまで作ったシャーシを改めて振り返りたい.

①フルサイズツーリング・MR
・ベース車:TL01(ギヤのみ使用)
・製作年:2002
・備考:厚さ1mmのアクリル板の折り曲げによる,モノコック仕様.さすがに脆かった…

②フルサイズツーリング・ダイレクトドライブMR(写真なし)
・ベース車:F103(スパー,デフのみ使用)
・製作年:2003
・備考:初のカーボン板切り出し+インボード型フロントサス.意外と軽くなかった気がする…長いスチールねじを多用しすぎたのがいけなかった.

③フルサイズツーリング・ダイレクトドライブMR(写真なし)
・ベース車:F103-GT(ほぼ流用,フロントサスのみTA04脚に変更)
・製作年:2008
・備考:フロントのみの小改造+スポンジタイヤ仕様.スピードは出たけど,操縦は難しかった.このころは「安定させるためにリアトーインつけとけ,とか,リアサスは柔らかくしてリバウンドも気を付けて」とかそういう知識は何もなく,「ダイレクトドライブかっけー!」くらいにしか思ってなかった.走らせて楽しむなら,最初は普通のキットを買うべきなんだな…

④MシャーシM寸・RR
仕事や学術で忙しかった時に「そうだ,ストレス解消にラジコンを作ろう」と思って,タミヤのM06を買った.ツーリングより一回り小さいサイズでリアのオーバーハングにモーターがあるデザインに心惹かれた.製作時の満足感は相当高かったが完成してみて「重い…ミニで後輪駆動で軽快な走りがウリの車が重いのはどうなの?」ということで作った.
どこで知ったのか忘れたけどアウターロータモーターに手を出したので,モーターだけで100gは軽くできた.最終的には950gを切り,もとから200gも軽量化できた.
サーボをバッテリー前に搭載したM寸設計にしたため手持ちのアルピーヌボディが載せられなかったのが心残りだった.イーグル模型のコンバート部品を使ったがためにロールセンターがやたら低い&タミヤM05・06の短いサスアームの組み合わせで,ロールしやすくて横転しまくりだった.ステアリングの最大切れ角が小さく,今から思えば走らせ易い車じゃなかったと思う.

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・ベース車:M06(ギヤケース,サスアーム流用)
・製作年:2015
・備考:バッテリ縦置き,横置き両方可能

⑤MシャーシM寸・FF
子供のころから「FFのRCカー」を作りたいと思ってたので,設計にかなり苦労しつつもFF03ベースで作ってみた.この車もM寸で設計し,バッテリーの前にサーボを搭載した.
サスアームをアルミ板とメネジスペーサで自作したのだが,これが頑丈で使い勝手もよいので後々まで踏襲している.車重はボディなしで910gくらいだった.
グリップがそこそこ低いコースでは走らせ易く,FFっぽく前よりを支点に微妙にスライドしながら曲がるのがかっこよかった.屋内ハイグリップコースでは横転しまくりだった.
フロント周りに構造上の欠陥があり,クラッシュに弱く,破損してしまった.

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160121ミニタイヤ用サスアーム00

・ベース車:FF03(ギヤケース流用)
・製作年:2015
・備考:フロントサスはアウトボード仕様

⑥MシャーシS寸・RR
アルピーヌボディが乗るように,S寸でRRの車を作ろう!と思って,超特急で作った.設計・製作期間は1か月程度だったと思う.「軽く・シンプルに!」に拘り,ダイレクトリンケージのステアリングと,メインシャーシに施した大胆な?肉抜きが特徴.設計に選択の余地があれば「軽くなる方」というコンセプトで,なんせボディ込で1000gを切るアホみたいな超軽量仕様!走りはさすがにふわつくけど,むちゃくちゃ軽快な車に仕上がった.意外と扱いやすく弱アンダーでよく走った.不満点があるとすれば…M06のギヤケースなのでちょっとうるさいのと,ギヤ比の自由度が小さいことくらい.

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160304車重

・ベース車:M06(ギヤケース,リヤサスアーム流用)
・製作年:2016
・備考:フロントのみ自作サスアーム.シンプル+軽量+高剛性でお気に入り.

⑦MシャーシS寸・2ベルト4WD
あまりに運転下手なので「コースを選ばず走らせ易い車が欲しいなー」「ぶつけても大丈夫なように,ウレタンバンパーを大きくできる車がいいなー」と思って,ついに?4WDの自作に手を出した.スリムなことと,バッテリー側に受信機を押し込めることに拘って設計した.そのためだけにステアリングはスライドタイプを採用した.メカ類のすべてをメインシャーシ直上に乗せ,重心低そうな見た目にできた.アルミサスが重いせいかメカニカルグリップは不足気味で,メンテも超絶面倒な構造ということもあり,あまり走らせることもなく終わってしまった.

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・ベース車:TA05ver2(モーターマウント,フロントベルト,バルク流用)
・製作年:2016~2017
・備考:ロングサスアームで走らせやすさを高める仕様.タミヤM車脚にも対応.

⑧MシャーシS寸・FF
4WDを設計している最中に,急にS寸のFFを作りたくなった.前に作ったM寸のFFシャーシから見えた「設計の改善点」を反映させ,フロント周りの構造を少し頑丈にした.ギヤケースの選定に紆余曲折があったけど,S寸でバッテリー縦置きでメカ類をすべてメインシャーシ上に平積みしたFFはほかに見たことないのでそこは満足.
思ったより走らせ易いがラフな操作をすると巻くので,リアサスのセッティングが難しかった.前より支点でちょっとスライドするのがかっこいい.

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・ベース車:FF03 EVO(ギヤケース,フロントダンパーマウント流用)
・製作年:2016~2017
・備考:フロントインボードサス+前後自作サスアーム仕様.

⑨MシャーシM,L寸・MR
タミヤからM07(M,L寸)が発売されたことを受けて,S寸以外の自作シャーシを作りたくなった.でも4WDは部品数も多いしメンテが大変.FF,RRは一度はM寸で作り,再製作のS寸でやりきった気もする…改めてMRはどうか?モーターがオーバーハングにないからボディも選びやすいし.
いつも通り「シンプル+軽量」は拘りたいけど軽量にするほどボディ込での重心が上がるので,MRレイアウトでは減速時のトラクション抜けが起きやすい…ので,これまで使用していた軽量アウターローターモーターではなく540サイズのブラシモーターを前提とし,低重心とリヤヘビー(リヤ荷重比60~65%程度)でトラクションを稼ぐことを狙った設計にした.レイアウト的にはM・L寸仕様でスペースがあるので設計は楽だった.が,モータープレートをアルミで自作することにしたので,そこは難しかった.
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・ベース車:FF03(ギヤケース流用)
・製作年:2017
・備考:初のホイールベース可変,前後自作サスアーム仕様.

MシャーシL寸・2ベルト4WD
これまでの自作シャーシを運転をしていて「走らせ易くてメンテしやすい4WDシャーシが欲しい」と思い,新しく設計することにした.走らせ易さは低重心・L寸・4WD・ストラットサス(ガンベイド脚)で確保し,メンテしやすい整備性の確保にこだわった設計にした(サス周りはガンベ脚でリクエストを戴いた.またガンベのストラットサスが力学的に理にかなった構造に思えた).
運転してみたが,とても走らせ易い!安定しているし速い.ただ,まったく同じアライメントで作ったTA07ベース車はそこまで走らせ易くない.前後のデフの違いかな(本作は前後ボールデフ仕様)
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・ベース車:TA05(スパー・バルク流用),ガンベイド(サスアーム流用),TA06(ボールデフorダイレクトカップリング)
・製作年:2018
・備考:初のガンベ脚,整備性と低重心に拘った設計.

MシャーシL寸・1ベルト4WD
TA05ベースで設計を進めていたが,部品の入手性の良さと,整備性の向上の観点から,TA07ベースでワンベルト4WDのクルマも設計した.スパー&プーリーを反転させて,スパーをシャーシ非解体で交換できる構造に拘った.
整備性は文句なしで,これ以上のものはないと思う.このレイアウトはのちに作る自作シャーシでもたびたび採用している.
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・ベース車:TA07(スパー・プーリ・バルク流用),ガンベイド(サスアーム流用)
・製作年:2018
・備考:初のガンベ脚,TA05ベースと同時製作,TA07ベースで整備性に拘った設計.

⑫MシャーシS寸・1ベルト4WD
これまでの自作車を整理していたら,S寸ボディのストックが結構あることに気付いた.ただS寸で稼働していた4WD車はTA05ベースで,整備性に難がある…いっそTA07ベースで整備性に優れたシャーシを作ってフラっと走らせよう!と思って設計した.
S寸ということは荷重移動が急峻だろうから,低重心化を図るため,TRF419xのバルクを使用することにした.脚周りはガンベイドで…ここまでくるとベース車が何なのかわからない.
出来は…これまでの経験とノウハウを詰め込んで,かなり精度よく加工できた.見た目も整備性の良さも文句なし.ただしS寸はやっぱりちょっとピーキーなので,運転には気を使ったかも.

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・ベース車:TA07(駆動系流用),ガンベイド(サスアーム流用),TRF419x(バルク流用)
・製作年:2018
・備考:ガンベ脚,整備性と低重心に拘った設計.

⑬MシャーシM寸・1ベルト4WD
数年ぶりにラジコンを再開!したら,やっぱり作りたくなってしまった.
M寸のシャーシだけないのも寂しいなあ…ということで,「M寸で,見た目ハイエンドなシャーシを作ろう!」というモチベーションで設計した.といっても,整備性や予算の兼ね合いで,基本構造は前作のS寸車両の設計を踏襲した.
出来は…文句なしにこれまでで一番でしょう.走らせ易いしメンテしやすいし,お気に入りの一台だ.ただバルクは手持ちのTRF419Xで予備品がないため,気を付けて運転しないとダメだなorz
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・ベース車:TA07(駆動系流用),ガンベイド(サスアーム流用),TRF419x(バルク流用)
・製作年:2022
・備考:ガンベ脚,整備性と低重心に拘った設計.

⑭MシャーシM寸・前後等長2ベルト4WD
手持ちのTA05バルクの予備品が大量にあったので,そいつを使って自作シャーシを錬成することにした.MTC2のセンタープーリーを使ってスパー交換が容易となるレイアウト&前後等長ベルトにこだわってみた.
走らせてみると走行音がめちゃくちゃ静かで驚いた.ハイエンドモデルのスパー周りだからなのか??
スピードを求めることもできそうだけど,自分のウデの問題もあるしいったん様子見(棚入れ).

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・ベース車:TA05&MTC2(駆動系流用),ガンベイド(サスアーム流用),TA05(バルク流量)
・製作年:2023
・備考:ガンベ脚,整備性と低重心に拘った設計.

⑮MシャーシL寸・MR
ビートルボディで走らせたいけどL寸の自作シャーシがすべて設計難ありで解体してしまったので,もう一台作ることにした.手持ちにFF03のギヤケース予備品がたくさんあったので,こいつを使って…となると昔に作ったMRレイアウトのシャーシの改良版がよかろう…ということで製作!
ステアリング周りはダイレクトリンケージとし,ギヤボックスとアッパーデッキの接合部に改良を加えた以外は,サスアームとモータープレート一式は前作をそのまま流用する「手抜き」設計とした.

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・ベース車:FF03(ギヤケース流用),M05Ra(ナックル流用)
・製作年:2024

⑯MシャーシL寸・前後等長2ベルト4WD
軽量のアウターローターモーターで軽快に走る4WDのフォルクスワーゲン・ビートルが欲しくなった…!ので,手持ちのTA05バルクの予備品を使って設計した.
前々作と同じくMTC2のセンタープーリーを使った前後等長ベルトとし,使用するモーターのサイズに応じてスパーとセンタープーリーの位置関係を反転できる可変レイアウト仕様とした.
2025年現在,38サイズのアウターローターモーターで楽しんでいるけど,「軽快」「よく転がる」「めちゃくちゃ静か」で,稼働中の自作シャーシの中では一番よく走る.走りだけ見れば最高傑作だわ.
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・ベース車:TA05&MTC2(駆動系流用),ガンベイド(サスアーム流用),TA05(バルク流量)
・製作年:2024
・備考:ガンベ脚,整備性と低重心に拘った設計.

⑰MシャーシS寸・1ベルト4WD
2025年,ミニクーパーレーシングが新製品として販売される!ということで,久しぶりにS寸で遊びたくなった.2018年に作ったシャーシはバッテリー固定方法に難があるので新しく作ってしまったw
手持ちのミニクーパーボディで試運転したけど,やっぱり少しピーキー…でもスピード出さないなら全然いける.楽しい一台ができた.
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・ベース車:TA07(駆動系流用),ガンベイド(サスアーム流用),TRF419x(バルク流用)
・製作年:2025
・備考:ガンベ脚,整備性と低重心に拘った設計.

⑱MシャーシL寸・RR
オフロード…とまではいかないにせよフラットダートくらいは行けそうなクルマが欲しくなって設計した.バギーの定番レイアウトであるリアモーター・リア駆動にバッテリー縦置きレイアウトとし,ギヤ比自由度とサスジオメトリの自由度の観点からガンベイドRRのギヤボックスを選定,サスストロークを稼ぐため限界まで長脚にしたかったのでサスアームも自作で新調した.
結果は,深いサスストロークで脚がグニャグニャ動く,見た目もかっこいい(自己満).オンロードで走らせると,前後同じタイヤで巻くこともなく,いい感じに深くロールして曲がる姿がとても良き.絶対的なスピードは求めなくても,走らせてて楽しい一台ができた.
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・ベース車:ガンベイドRR(駆動系流用),XM01(フロントナックル流用)
・製作年:2025
・備考:RRレイアウト,長脚,フラットダート対応にこだわった一台


Mシャーシはもともとメーカ製でもレイアウトが多様で,駆動方式の違いが楽しさの一つでもある.また,ツーリングと同じサイズのモータやメカ類を一回り小さいシャーシに詰め込む設計の難しさ・工夫やオリジナル要素を盛り込むことがとっても楽しい.
25年4月現在,4WD(ガンベ脚S,M,L寸)とRR(L寸)の4台が稼働中.どれも楽しく走れるクルマで大満足だ.